ASPARAGUS×BEAT CRUSADERS

まずはスプリットアルバムサーガ(三部作)の最終章となるASPARAGUS×BEAT CRUSADERS「NIGHT ON THE PLANET」が出来るまでの経緯を聞かせて下さい。

ヒダカ:ものすごいさかのぼると1999年2000年くらいにCAPTAIN HEDGE HOGって言う、シノッピ(渡邊)が前やってたバンドがすごく好きで、対バンに誘いたいと。で、現ASPARAGUSでベースを弾いてる原直央が率いていたSHORT CIRCUITと友達になったんで、CAPTAIN HEDGE HOGを紹介してくれと頼んで一緒にあって飯食ったんだよね?(渡邊うなずく)渋谷にある、ふっくらたまごと焼きたてパンでおなじみ「ラケル」っていうレストランで…あのーウェイトレスが無駄にね、メイドカフェ的な格好してて(笑)。

渡邊:なんかちょっと、あれですよ。胸を強調しすぎなんですよ。

ヒダカ:そうそう、アンナミラーズみたいな格好をしてる。。。あんなにセクシーじゃないんですけど、ミニスカっつうかちょっと近い感じのね…謎のオムレツレストランです(笑)。

渡邊:謎のオムレツレストランのチェーン店です。(一同爆笑)謎なんだけどチェーン店(笑)

ヒダカ:そこで一緒に飯食ってて、俺はまずライヴに誘おうと思ってたのにシノッピがいきなり「スプリットやろう」って言ってくれて、それでCAPTAIN HEDGE HOGとBEAT CRUSADERSの『WXY』っていうスプリットができて。それが俺の中でものすごい転機で。あれでお客さんも広がったし。何よりあの、なんだろ、ガツガツしてないバンドと初めて一緒に作業したっていうか。それまでってみんなこう、己さえ目立てばみたいなことが凄く強調されてたのにキャプヘジはものすごいゆるいスタンスだったんで、それが凄い衝撃的で。頑張っちゃダメなときもあるんだなというのを、渡邊さんに教わった感じがすごいします(笑)

渡邊:プライベートじゃ凄い頑張ってるんですけど(笑)

ヒダカ:渡邊さんのギターの練習量はハンパないですね(笑)。でもそれをね、別に押し付けたりとかしないし、そのスタンスが凄い勉強になって、またいつかやりたいなと思ってて。 で、こっちもメンバー変わっちゃったし向こうもCAPTAIN HEDGE HOGからASPARAGUSに移行していくなかで、久しぶりにちょっとまたお互いに勉強しますか、みたいな流れでスプリットをね。ウチも一昨年メジャーにいって、やっぱりメジャーはガツガツじゃないとダメぐらいの勢いのところなんですが、それだけじゃないでしょっていうことをメジャーの中で言いたかったのでね…それでスプリットやりたいと提案して。しかもYOUR SONG IS GOOD、TROPICAL GORILLA、ASPARAGUSと、しかもそれを3連発すればみんな少しはわかるんじゃないかと。。。。思ってみてやったら誰もわからなかったみたいな(笑)。そういう感じですね。

渡邊:。。。。そういうことみたいです。

(笑)では次にアルバムの特徴・聴き所などあれば教えて下さい。

ヒダカ:とりあえず『WXY』の焼き直しってのは絶対やだねって言い合ってて、ちょうどASPARAGUSってアコギを使うのにモッシュやダイヴが起こったりするんで、アコギを全面的にフィーチャーした共作曲をやったり、あるいはお互いのカヴァーも全然意外な感じでやれたらいいねって言ってたんで…まあ全部、全曲が聴き所ですね。

渡邊:まあその、お互いのカヴァーをやって、共作もやってっていうフォーマットが一応、ユアソンやTROPICAL GORILLAのころからあって、そういうのを通しつつ色を出し合って。ほんとに3枚とも違う色がちゃんと出てるから、3枚通して聴いたほうがいいかもしんない。

ヒダカ:3枚通して聴いてるとね、俺もね、ものすごい濃厚すぎて、さっぱり塩味ラーメンも、たまには食べなきゃぐらいの濃厚さで(笑)!

渡邊:濃厚すぎてひと回しで飽きちゃうくらいな(一同爆笑)もたれちゃう(笑)

ヒダカ:かなり胃がもたれますけど(笑)、それぐらい情報量がすごい入ってると思います。

なるほどありがとうございます(笑)では話は変わりますが、お二人から見た鹿児島についての印象を聞かせてください。

ヒダカ:もともと俺、じいちゃんが宮崎なんで、九州は肌に合うんですよ。すぐ怒るところと(笑)無駄に?男らしさを強調するところとかね(笑)、すごい肌に合うんでやりやすいですよね。で、鹿児島は九州地区でも礼儀が正しいというか、そんな印象がありますね。九州って上に行けば行くほどなんかがらっぱちになってくるじゃないですか。北九州がその頂点かもしれないけど(笑)、もちろんその良さもあるんですけど…ルースターズなんかが生まれた風土もあるし。そういうそれぞれの良さも含めて鹿児島はすごいやりやすいですね。それは見に来てくれるお客さんもそうだし、スタッフさんもそうだし、お店の人もそうだし。個人的にものすごい礼儀を重んじてる感じがします。

渡邊:港町じゃないですか。僕、家が横浜なんで、まあ港町なんで、まあなんというかベイサイド的なっていうか、なんかそういう感じでちょっと塩っけがいいですよね(笑)塩の香りがやっぱ運んでくるなあ。。。何か。そういう感じです。

塩っけがですね(笑)では最後にタワーレコード鹿児島店が閉店してしまう現状と、それに伴い起こった署名運動について思うことがあれば聞かせて下さい。

ヒダカ:もともと沖縄にいた仲村渠(なかんだかり/元タワーレコード鹿児島店店長)がこっちに来て、うちもアスパラも”ダカリ”とは昔から付き合いがあって、で今回初めてのイベントなんですよね。初めてのイベントだからって選んでもらったのがすごい嬉しかったんだよね。”ダカリ”の友達バンドいっぱいいるのに、あえてこの二つを選んでくれて…まあスプリットとタイミングが合ったっていうのもあるんですけど。光栄だなと思って来てみたら閉店。。。。しかもさっきフライヤー見てたら最初で最後のイベントにならないようにみなさん遊びにきてくださいみたいなことが書いてあったんだけど最後になりそうでなんか切なかったんですけど。。。切なさを殺せなかったんですけど(笑)。。。。我々から見たらね、タワーのあり方って仲村渠との付き合いだよね。立地条件とか、他のレコード屋が良かったとかでもないだろうし、詳しくはわかんないけど、何か政治的な理由でなくなっちゃうって寂しいですよね。音楽以外のところでそういうことが起こるのは悲しいです、単純に。まあそれが地方都市の善し悪しでもあるんでしょうけど。

渡邊:俺も横浜にレコード屋いくつかあるんだけど絶対タワー行くんだよね。。。。。んー、、、まあ、、、それだけなんですけど(一同爆笑)なぜかタワーを選んじゃう。

仲村渠さんが来てから、ほんとに地元バンドとの関わりっていうのをすごく大事にしてくれて、自分が地元バンドを中心にしたイベントを毎年1回やってるんですけど、きちんとリリースされていない地元のバンドの音源なんかを視聴できるようにしてくれたりイベント用のブースを作ってくれたり、ほんと親身になってやってくれたんですね。そういう密接な関係っていうのがやっと最近できてきたっていうときに閉店してしまうってことになって。これって鹿児島にとってすごくマイナスになるし、これからが心配なんですよね。

ヒダカ:結局mp3が象徴するように、ソフトへの興味っていうのがどんどん薄れていく時代じゃないですか…パッケージとかソフトそのものの形態が変わっていくから。その狭間で今、鹿児島タワーもその犠牲になっちゃってる部分はあると思うんですよね。我々もソフトを作る人間として、どんどん良い作品を作って、それを一人でも多くの人が聴きたいなと思うようなことをする、っていうのが多分一番タワーに対してできる最大のことだと思ってて、だからこそこのイベント出れてほんとよかったなあって思うんです。うかうかしてたらね、明日は我が身ですから(笑)。

渡邊:難しいですよね。それこそパッケージとかそう簡単になくなりはしないだろうけど、データだけだったら逆に言えばちょっとエコじゃないですか。。。。そういった気持ちはあるけれど、視聴機でずっと聴いて「いつどくんだこいつ」みたいなね。平気で待ってたりするわけですよ僕とか。「ずっと聴いてるよお前」みたいな。じゃああと2、3周回ってもう1回見てみようって思ったら「まだ聴いてるよ!」って。その待ってるイライラ感。。。。たまらない。そんな感じです。あぁ、あと横浜のモアーズは邦楽コーナー行くと、店員が俺を知ってる人がいるらしくて、サーッとアスパラをかけたりするの(一同爆笑)それが超恥ずかしくて。

ヒダカ:わかるわかる(笑)

渡邊:たまたまCD買いに邦楽コーナー行ったら、全然旬じゃないのに「キィイーーーーン!!」みたいな、いきなりKNOCK ME OUTかかってるんだ(一同爆笑)絶対俺が来たってわかって気利かせてかけてるんだけど、俺どうしていいかわかんないし、すごい顔赤くなっちゃって「誰だろう?」って思って見渡してんだけど誰がかけたかもわかんないんだよね。話しかけてくれれば別にいいわけ。それで「ああ、どうも」みたいな。でも何にも話しかけてくれないわけ。もう恥ずかしくてそそくさと出て行ったよそのとき。それ以来、邦楽コーナーは行ってない(一同大爆笑)

ヒダカ:バンドやってて、お店に行くとそういう楽しみ? があるよね(笑)。あと、タワーに行くと我々を知っている人が多いんですよね。

渡邊:ああ、そうかも。

ヒダカ:タワーで買うと声かけられることすごい多いですからね、関東は特に。でも地方もすごいですよ!お店回りに行くってわかってて待っててくれるファンとかいますからね。そういうお客さんがいるのがタワーですね。そこがやっぱタワーの特色ですよね。インディーズを長年ずっと支えてた感じがやっぱあるから。それが減るのが寂しいんですよね。これだけ地域に密着したレコ屋とか今までなかったし、単独のお店はやってたりするけどチェーン店でここまでやってるのは初めてなんじゃないかな?それはタワーの偉業だと思います。それを理解してる店長・バイヤーを入れるセンスもすごいと思いますけど。。。。。まあ、、、寂しいですよ。なくなると。。。じゃあ、俺らがCDミリオン売って、その金で鹿児島店を買います、、、、、、いや、平井堅さんに頼みます(笑)