“僕らの街は、僕らで創る。” すっかり鹿児島の5月の風物詩となったウォークインフェス
基板となる5年を終えて、新たなフェイズへと突入する2019年。念願のキャンプインなど今までになかったコンテンツが新たに追加され、変化を続けるフェスの今後を、オーガナイザーの野間太一(WALK INN STUDIO!代表)と寿山良介(CAPARVO SR HALL店長)に聞いた。

Text/Photo:平野勲(ongaku-heiya) / 2018.11.7 Interview
フェス写真提供:Miki Kamada / 田中直子 / [鹿児島キャリアデザイン専門学校] 永田友華 / 毛利まり / 吉松彩花

他では無いお客さんのパワーを感じる

まずは今年の総括をしていただきたいと思います。ラインナップで言えば、初出演となる「怒髪天」と2回目の出演となる「Ken Yokoyama」をヘッドライナーに据えて、初めましてからお馴染みまで様々なジャンルとラインナップです。特に「Ken Yokoyama」は記念すべき1回目のヘッドライナー、そして今年5周年に再びヘッドライナーとして出演しています。5周年という節目にどういうフェスにしたいという考えがありましたか?

野間:
1回目にKenさんに出演してもらって今回もう一度出演してもらった理由っていうのは変化を見て欲しかったから。実は1回目をやった段階で5回目に最初から出演してもらおうと思ってたんだよね。そういう話もずっと本人としてた。ハイスタ(Hi-STANDARD)が「AIR JAM」というフェスをゼロから作って、その張本人であるKenさんには鹿児島でやるフェスというものが今の時代どういう風に見えるか?また1回目と5回目の変化をどう感じているのか?その辺含めてKenさんに見て欲しかった。実際、フェス開催するにあたって色々と相談もしてたしね。

やはり1回目に『全国でも少ない血の通ってるフェスがここにはある!』って言ってもらえたのは嬉しかったね。血の通ってる!って表現は自分では見つけきれなかったけど、ずっといろんな日本のフェスを体験して来て、都会でやってるフェスと同じ事やっても意味ないよなぁ!って。その為には、人との対話は1番必要だし僕が今は鹿児島に住んでて、鹿児島でしかできないフェスを創りたかった!というか今もなお模索しながら創ってる。Kenさんにもフェスがある事で地元バンドが育ってる事も見えるし、他では無いお客さんのパワーを感じるって言ってもらえた。
それはやっぱ、僕らだけではなくお客さんの意気込む姿勢までもがフェスに繋がってて、あそこでしか味わえない空間を作れてるんだと思う。それをKenさん以外からもたくさん話を聞かせてもらった。

フェスを終えてみて印象に残っているシーンはありますか?

野間:
今年「GLARE SOUNDS PROJECTION」が1日目のトリ前に出演したんだけど、ライブもすごく良くて周りの反応もすごく良かった。最近はだいたいトリ前に地元のバンドを置くようにしてるんだけど今年はそれが見事ハマったよね。

ちょうど話に出ましたが、鹿児島の音楽シーンは「GLARE SOUNDS PROJECTION」のフジロック出演や、「ぷぷぷ」の上京、「BACKSKiD」が「Ken Yokoyama」のサポートアクトを務めるなど大きな動きがありました。

野間:
地元のバンドがこういう評価をされるためにウォークインフェスがあるんじゃないかな?ただフェスが始まった頃はスタッフとか含めてみんな忙しくて、地元バンドをそこまで見れてない状況があって。今はだいぶ役割分担できて地元バンドを見れるようになってきていて、その分地元バンドへの準備やサポートなどに時間をかけられるようになってきた。だから「GLARE SOUNDS PROJECTION」のフジロック出演とかサポートできる部分はやったし。坂口(GLARE SOUNDS PROJECTION/Gt.Vo)からは「色々と見えないところで動いてくださってありがとうございました。そんな風にやってくれてるって全然気付きませんでした。」って言われたんだけど、それをやるのは当たり前というか今までそういう風にしかやってきてないからね。
「ぷぷぷ」はさ、去年ウォークインフェスで「ザ50回転ズ」と共演して、それきっかけで「ザ50回転ズ」から声がかかって東京でのイベントに出演したりとか、「BACKSKiD」もそう。この間のKenさんの鹿児島公演で共演したでしょ?KenさんもSNSで言ってたけど今年ウォークインフェスで共演してそれを見てた「Ken Yokoyama」側からのオファーで実現したんだよね。
“良いバンドが評価される。” っていうのは当たり前なんじゃないかな?実際、この景色しか見てきてないし。

でも勘違いして欲しく無いのは、今話したバンドだけが努力してやってるわけでは無いのは知ってるのよ。いろんなバンドがいて、誘われ待ちしてるバンドもいるしさぁ。
でもね、やっぱ夢語ってくれてわざわざ連絡くれてさぁ、フェス出たくて!もっとでかいことしたくて!って話してくれるバンドはその分『お前ら言ったな!』って言うリスク背負うのよ。『出たい!』って言ったからには絶対に爪痕残すぞ!って。そんなバンドは話してる間に絵が見えてくるよね。

もちろんそんな事思ってるバンドだけじゃなくて、鹿児島だからそんな力入れないでバンドしたい人もいるのよ。ツアーも仕事でできないしとか。じゃ、そのバンドはそのバンドなりにウォークインフェス楽しんじゃえば良いのよね!楽しそうだから出たいです!から始まってさぁ。ウォークインフェスに出たからって何か先が決まるわけじゃ無いし、それぞれのバンドの活動の在り方でウォークインを利用してくれればそれで良いと思ってる。だから、グレア(GLARE SOUNDS PROJECTION)やぷぷぷだけが凄いわけじゃない!!

でもやっぱり、誘われ待ちしてるバンドよりも下手くそだけどなんか思いがあるバンドの方が嬉しいよね。現に、いろんなツアーバンドから出させて欲しい!って話は来るけど、ウォークインフェスだけのために、地元バンドが頑張って創ったこのイベントの為だけに鹿児島にくるのは卑怯だな!って言ってる。それだったらツアーでまず鹿児島来てよ!そして地元バンドも見てよ!って思うのよ。君たちの「ただ出たい!」って事で地元バンドの枠が1つ無くなるよ!って言ったらほとんどのバンドは黙るね。そしてツアーに来てくれだしたバンドもいるし、やっぱウォークインフェスしか狙ってこないバンドもいる。そこはちゃんと提示してあげないとなぁって。もちろん地元バンドが納得するゲストバンドにいつも声かけてますよ。

フェスつながりで言うと全国でもここ数年で様々なフェスが出来ています。

野間:
これには二つ意見があってまずウォークインスタジオ、ウォークインフェスを背負ってない個人の意見として、全国のいろんなフェスに当てはまることだけど、商業的なイベントというか主催者の顔が見えないフェスって言うのかな?お客さんだけ集めて花火打ち上げてそのあと何もしないっていう。そういうのには全く興味ないというか、それが面白いフェスだとは昔から全然思ってないんだよね。お客さんが楽しけりゃそれは良いのだが。
もう一つはウォークインスタジオ、ウォークインフェスを背負ってる立場としての意見で言うと、例えばサツマニアン(THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL)とかは鹿児島にあの規模で伸びしろのあるフェスが出来たって事は夢があるしすごく良いことだと思ってる。そして今度はそのフェスを鹿児島に住む僕らがどう利用していくかが大事になってくるんだと思う。もちろん良い意味でね。
サツマニアンとウォークインフェスは対極にあると思ってるけど決して悪いとは思わない。やっぱサツマニアンやウォークインフェスも生かすも殺すも、鹿児島に住む僕らの行動でしかないと思う。

街を創るってのはそう言う事なんじゃないかなぁ??
感情的なだけでもダメだし、芸能人ばっかり呼んで誰がやってるイベントか分からないフェス。じゃ僕らサツマニアン手伝うよ!だからサツマニアンもローカルの僕らのイベント手伝って!って今年はうまくそれができたと思ってるし、来年はどちらももっと楽しく見せていけるんじゃないかなぁ〜。

MOJO芸術展」をはじめ、「TENT STAGE」新設や新たな試みが増えて動員が増える一方、制限・整理しなくてはいけない部分も増えてきていると思います。それについてはどう考えていますか?

野間:
そりゃあ制限とか決まりとかシステム作る方が楽だよね。確かに新たなコンテンツが増えると同時にお客さんも増えてきて色々と制限や整理しないといけない部分も増えてくるけど、それをその都度決まりとか作ってやっちゃうと制限が増えてウォークインフェスの趣旨が変わってしまう。だからウォークインフェスではシステムを極力作らずに臨機応変にやりたいんだよね。それを各セクションに伝えたり共有するのは大変だけど、そこをみんながちゃんと共有できていれば、決まりを作らなくてももっとスマートにやっていけるんじゃないかと思ってる。お客さんまでもがスタッフであり、スタッフもお客さんであり。
困った人がいたらスタッフ呼ばなくても、たくさん人いるんだからみんなでやればいいしね!テントも荷物も困ってる人がいたら僕らも手伝うし、先にテント立てた人が手伝ってあげれば良いじゃん。そんなのに決まり事はない。
もちろん安全面は気を張りながら注意して見てる。

でもさぁ、このSNS時代。自分の顔が見えない事を良い事に揚げ足を取ることばかりになってるじゃん。
このフェスだけはさぁ、そんなのあって欲しくないなぁ。
だから先に謝っとく、いろんな事でご迷惑をかけますが助けてねwwwww寝ないで頑張るからw

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