彼らに声をかけたのは今年の春だった。すると彼らはありがたいことに「僕らもずっと出たいと思っていたイベントなんです」と言ってくれた。
彼らとの付き合いは長く、スリーピースのころにさかのぼる。まだFOOL&SCISSORS、アイアンクロウ、hatch、櫻島などイマジネーション溢れる希有なバンドがいた頃だ。ステージングを観るたびにサウンドには情熱を帯びていて、ヴォーカル月川の顔を歪ませて歌い上げる様はエモーショナルを帯びていた。そんな彼らは当時から「薩南戦争(*1)」「TovugaGotoQu(*2)」など鹿児島の鍵となるイベントに出演し、とても鹿児島と縁のあるバンドであった。
それからもう6年ほど。。。。なんて贅沢な2番手だろう。そんな気分で「brainwash」を待った。
いつものごとくSEなしで鳴らされたナンバーは「流線形の空模様」。今回リリースした音源「VIBRATION」には収録されていないが、メロウなスロウバラードでじっくり染み渡ってゆく。会場をしっかりと「洗脳」したところで今度は真逆のアッパーナンバー「手の平の太陽」。サビの♪Hello
Goodbye Travelin' space!♪のフレーズが心地よく耳に残る。そんな余韻にさらに「代表曲聴いて下さい!ペーパームーーーン!!!」と追い打ち。怒濤の3曲で満員の会場はさらにヒートアップ。
MCを挟んでベースラインが気持ちいいミディアムナンバー「マーチ」、福岡のとんこつブルースロック「タイニー」をプレイしたあと、とどめのアッパーチューン「春日狂想」。濃すぎる6曲。大満足である。しかし、これでも終わらない。
「この曲ありきでアルバム「VIBRATION」を作ることができました。出会ったすべての人に感謝した曲です。鹿児島の皆さんに贈ります。聴いて下さい、「ロック」」
名曲中の名曲である。
真実はときに偽りの中へ
偽りはときに真実を。。。。
小さな街で今日も誰かが暮らし始める
歌に込められたひとつひとつの想いを感じながら、身をゆだねていると自然と涙がでてしまう、そんな名曲。アルバム「VIBRATION」のオープニングトラックである。「各ライヴ会場で起こった小さな波紋(VIBRATION)。それがだんだんと大きい波紋になってみんなに届けばいい」という意味を込めてつけられたアルバムタイトル「VIBRATION」。ここ鹿児島でも間違いなくbrainwashの波紋は広がっていくはず。
*1 薩南戦争
CAPAVO Hallのステージを2つに分け、2バンドずつが交互に演奏を行ったイベント。客席にはイスがきちっと並べられ、映画館のようだった。出演は、アイアンクロー、brainwash、櫻島、hatch、FOOL&SCISSORS。
*2 TovugaGotoQu
当時、櫻島(現.芥)の大田が企画したイベント。2日間に渡りSR Hallにて行われた。出演は、hatch、sodopp、Fat
Prop、brainwash、NEKO PANCH、No Regret Life、アイアンクロー、櫻島。
SET LIST
01 流線形の空模様
02 手の平の太陽
03 ペーパームーン
04 マーチ
05 タイニー
06 春日狂想
07 ロック
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