2日目も5バンド目。地元鹿児島勢の最後の砦として現れるのは、この日がレコ発初日の「ココロイロトリドリ」。転換中の「TAKAHI-ROCK」もナンバーガール、櫻島、フラワーカンパニーズと日本語ロックナンバーで彼らの登場を待つ。
セッティング中の彼らに両手をあげて見たところ、それに気づいたフロント2人。Ba.工藤はニッコリと微笑みステージをぴょんぴょんと跳ねる。一方のGt/Vo.若松は負けじと腕を挙げ返す。実に良い緊張感と高揚感である。
「ココロイロトリドリです。今日はよろしくお願いします。」
SEなしに始まったギターストロークは「マーブル」。疾走感と共にメンバーがとてもノビノビと演奏しているのが印象的だ。彼らはスケジュールの都合上1ヶ月以上ステージに立てない日々が続いた。レコーディングは順調に終わり、後はリリースを待つばかり。そしてこの日がレコ発初日。この後に初の九州ツアーが待っている。
久しぶりのステージに、初のツアー。彼らとしては多少の不安を抱えてステージに立っていそうなものなのだが、そんな不安を一掃するかのように活き活きとステージで表現してくれる。
祭りはこれからだよと言わんばかりに「春雨ヨ降レ」の太鼓が会場を熱くさせる。後半の展開がワクワクさせるナンバーだ。「ユウヤケアカイロ」では哀愁溢れる3月の別れを。その哀愁の余韻を保ちながら「香り舞踊」で夏の情緒を運んでくれる。彼らは昨年、季節をテーマにセットリストを組んで、見事に春夏秋冬を創り上げてくれた。今回にしてもそうだ。若松の産み出す詩には季節が非常に色濃く反映されている。おそらく彼は詩に対して重きをおいており、その重要性を感じるからこそ、しゃがれ声でも言葉を伝えられる術を知っているようなそんな気がする。そんな彼ら、今度は「のら犬」で今一度会場を沸点に到達させる。
「明日はどこにあるんでしょう。探してみたんですけど今日のどこを探しても明日はありませんでした。そのまま眠ってしまって明日になって、あぁ明日は今日にはなくて明日にあるんだということがわかって、この曲を作りました。」
そう残すとラストは哀愁漂うスケール感たっぷりの新曲「アシタ」で九州ツアー初日を締めくくった。
ライヴ後にメンバーと話したところ、「自分たちも楽しもうと思って、ノリノリのひらのさんをずっと見てました」という言葉が返ってきた。こちらとしても嬉しいし、本当にのびのびとやってくれたことはすごくこの後のツアーに繋がるだろうと思う。彼らがひとまわりもふたまわりも大きくなって帰ってきてくれるのが楽しみだ。
SET LIST
01 マーブル
02 春雨ヨ降レ
03 ユウヤケアカイロ
04 香り舞踊
05 のら犬
06 アシタ(新曲)
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